こんにちは。愛知県安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
今日は、安城市横山町にある「株式会社ティンク」の代表取締役の本多純代さんと取締役の小川正人さんに、お話を伺ってきました。
株式会社ティンク(以下、「ティンク」)は、障害児・者の支援を行う法人で、現在は居宅介護事業、移動支援事業、放課後等デイサービス事業、生活介護事業、日中一時支援事業、計画相談・障害児相談支援事業を行っています。
現在の建物は2年前に建て替えたもので、先に予算枠を決めて建築を行うのではなく、何が必要かをしっかりと考えた上で、必要なものを全て満たした建物を作ったとのこと。
迫力のある外装の絵もそうですが、1階の広々としたフロアといい、欧風のオシャレな内装といい、みんなの思いがいっぱい詰まった、いわゆる「福祉施設らしさ」のない素敵な建物です。
ティンクを立ち上げたきっかけは、重度身体障害者である小川さんと本多さんが職場で出会ったことからはじまります。大学を卒業した小川さんの障害者年金を元手に事業をはじめ、今年でなんと17年目とのこと。
お2人は障害者とそうでない人という違いの壁を乗り越えながらチャレンジを続け、お互いの強みを活かして事業を続けてきたそうです。
そのチャレンジの中でも、同じくお2人が立ち上げたNPO法人「アンジェラ」にて開催している「Monkey♥Party」というイベントは、特筆すべき内容です。
「Monkey♥Party」は、障害者もそうでない人も関係なく、「誰もが感じる社会ストレス」、「人間関係の中から生まれるストレス」など、自分の中にある無限の可能性や、人と人とがつながり、生きていくパワーとなるエネルギーを伝える音楽イベントです。
小川さんは、このイベントについて「バリアフリーではなくバリアクラッシュをするつもりで行っている」とお話されていましたが、さまざまな困難と向き合い、多くの人から求められるイベントに成長してきた軌跡を伺っていると、お2人の障害児・者の事業にかける「熱量」がひしひしと伝わってきました。
また、小川さんは、「障害者」の「がい」という表記のことを例にあげながら「障害に関して『言い変え』や『丸く』することによって、本質を見えなくすることは避けたいし、その本質にきちんと向き合っていきたい」という思いを持っているとのこと。
「赤ちゃんだって高齢者だって、できないという意味では障害者だし、そのことを伝えることによって、障害について一人ひとりに『自分事』として考えてもらうことが大切」という小川さんの言葉には、私自身大きくうなづくところがありました。
本多さんは、ティンクの特徴の一つとして、職員さんの多くが20歳代~30歳代であることをあげながら、「職員さんたちだって、成長の中で心に傷を負う経験をしたり、社会への適応を求められてきた人々」であり、それは障害者もそうでない人も変わりはないと考えているそうです。
だからこそ、「職員さんをコントロールするのではなく、一人ひとりが自分自身の素敵な部分や強みを活かして働けるようにしたい」とのことで、その言葉からは、相手を尊重するということに対する、本多さんの真っ直ぐなまなざしを感じました。
今後は、当事者としての発信の場を広げていくことや、障害を持っているお子さんの親に対しての支援、そして学校や関係機関との効果的な連携に力を入れていきたいとのことで、開設から17年を経て、変わらず熱く走り続けるお2人の姿勢に感服することしきりでした。
ちなみに、ティンクのパンフレットは素敵な絵本になっていて、そのストーリーは小川さんが考え、作画はティンクの職員であるイラストレーターの森大地さんがされたそうです。
また、利用されている方々が、1枚の絵を共同して制作される取り組みもされているとのことで、その味のある作品は会社の封筒にも使用されています。
帰り際に、本多さんから「一緒に頑張っていきましょう」と声をかけていただきましたが、その言葉の力強かったこと・・・。
私自身、同じ安城市内で仕事をするものとして、あらためて地域のお役に立ちたいという思いを強くして帰路に着きました。
お忙しい中、貴重な時間をいただいた本多さんと小川さんに心より感謝いたします。本当にありがとうございました。
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