こんにちは。安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
今日は、この10月より安城市小堤町にオープンする「ナーシングホームちあい安城」の内覧会に出かけてきました。
「ナーシングホームちあい安城」は、医療対応型の有料老人ホームで、平成24年から碧海地区にて訪問看護の事業を行っている「株式会社ちあい」が運営をする2か所目の施設となります。
「幸せな生きかた逝きかた」に寄り添うこと、そして心地良い毎日が送れる「あたたかな住まい」を提供したいという思いで運営されているとのことで、そのような思いが共有されているのか、どの職員さんも穏やかな笑顔で来場者の対応をされていたのが印象的でした。
こちらでは、医療依存度の高い人(経管栄養や人工呼吸器、酸素吸入、点滴等の医療処置を受けている人)が、最期の時まで穏やかに過ごせるように、看護師が「365日・夜間・緊急時対応」を行うことができる体制を整えているとのこと。
そのため、高浜市で運営を行っている1か所目の施設でも、入居者の3分の1は、医療依存度が高い人だということです。
日本では、がんや難病をはじめとする重い病にかかった時、取り急ぎの治療や症状の緩和が行われた後に、多くの人は入院している病院を退院して、次の居場所を探さなければならないような医療制度になっています。
その次の居場所が自宅である人は問題ないのですが、常に医療的な対応が必要な方で、家族や近親者が自宅で対応できないような事情がある場合に、受け入れを行ってもらえるような施設というのは、実際のところはそんなに多くはありません。
その点で、この「ナーシングホームちあい安城」は、在宅医療の経験豊富なスタッフが、きちんと医療依存度の高い人を受け入れると表明していること、そして、そのための仕組みを構築していることが、大変素晴らしいことだと思います。
医療依存度が高い人を受け入れる姿勢は、館内の造りにも表れています。
館内は濃い木目調の内装で、大変落ち着いた雰囲気なのですが、廊下やフロアの事務所など、どこも広々とした余裕を持った設計がされています。
この点について、職員の方にお話を伺うと、廊下に関しては、医療依存度の高い人が多く入居されるので、緊急時にベッドやストレッチャーを通しやすいように、広すぎるくらいの幅にしてあるとのこと。
私も仕事柄、色々な施設に携わったり拝見したりしてきましたが、コスト面を考えると廊下の幅を広くするというのは、思い切った決断が必要になります。
それでも、あえて広い廊下にしたというところに、運営されている方の強い意志を感じることができました。
お部屋に関して、すべて個室で12平米ほどの広さにベッドがしつらえられています。この個室は「自分の部屋」という扱いになるので、家具の持ち込みなどは自由ですし、自分の好きなようにインテリアを調えることができます。
お風呂は共用になっていて、通常の浴槽と特殊浴槽があり、重度の方の入浴にも対応できるようになっています。
お食事に関しては、基本的にはセントラルキッチン方式(1か所で作って、各施設に配達する方式)で提供するそうですが、特別食については施設内の厨房にて調理を行うとのことで、この日も美味しそうな匂いのする見本が飾られていました。
特にうな重の匂いは強烈で、その匂いに誘われてじっくりと眺めてしまったのですが、よくよくお話を伺うと、このウナギは精進料理の技法を活かして、豆腐をベースにした「うなぎもどき」とのこと。
お話を聞かせていただいた職員さんは、元板前さんなのですが、もちろんこの「うなぎもどき」も手作りとのこと。
その作り方を聞くと、かなり細やかな手間をかけて作っていることがわかりました(企業秘密だといけないので、詳しくは書けませんが・・・)。
最近はどの施設も、食事にお金をかけることが難しい事情があるのですが、そんな中でも上手にセントラルキッチンと施設内調理を使い分けて工夫をしているのは素晴らしいことだと思います。
この施設では、私のお世話になった先輩がケアマネジャーをしているので、全体を見学した後に先輩と施設長さんとお話をさせていただきました。
色々と真面目なお話を伺ったのですが、そんな中でもお2人が冗談を交えながら明るい雰囲気でやりあっているのを見て、職員同士の雰囲気の良さを感じさせられました。
料金についてもご説明いただいたのですが、基本料金の14万円ほどに加えて、介護や医療への対応分が別に必要になります。
それぞれの身体状況等によって、支払いの総額は変わってきますが、施設長さんの説明だと要介護5の方で月に22万円くらいを想定しているということでした。
私自身、サービス付き高齢者向け住宅を運営する会社で相談業務を行っていた時期があり、数年前には共著ではありますが本も出版させていただいています。
そのため、高齢者住宅(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)については、比較的詳しい方だと思うのですが、そんな私の目から見ても「ナーシングホームちあい安城」は、医療対応等を含めたサービスと建物・設備のコストパフォーマンスの良さを感じることができました。
特に地元で在宅医療に力を入れて手掛けていた会社が運営されている点や、建物の造りの広さ、手すりの位置、洗面台の選択などに細やかな配慮がされているところなど、医療対応が必要な入居者にとって安心して生活ができる施設になっていくための要素を、内覧会だけでも十分に感じることができました。
安城市役所からも近く、立地面でも便利な場所にあるこの施設。今回は内覧会でしたが、10月からオープンということで、安城市内に頼りになる施設が1つ増えることに、心強さを感じながら帰路に着きました。
「ナーシングホームちあい安城」 <住 所>愛知県安城市小堤町7-1 <電話番号>0566-70-7721 |
西三河のお悩み・心配ごとのご相談は「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」
安城市、刈谷市、岡崎市、豊田市、知立市、碧南市、高浜市、西尾市へはご訪問も可能です。