こんにちは。安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
今回、愛知県知立市にある「未来高等学校」の東海キャンパスを見学してきました。
未来高等学校は、愛媛県に本部がある通信制の高校で、各地にあるキャンパスに生徒さんに通ってもらい、教師の授業を受けながら通信制の単位を取得していく「通学型通信制」の形で学校の運営を行っています。
先日、参加させていただいた「不登校の子を持つ親のお話会」にて、中学時代に不登校だった子どもさんをはじめ、さまざまな生徒さんに熱心に向き合っている高校であることを知り、ご見学をさせていただく運びとなりました。
今回、お話をお伺いしたのは「未来高等学校」の副校長であり、東海キャンパス長でもある茅野峰雄先生です。
茅野先生は、かの有名な大原学園の理事をはじめ、さまざまな教育・経営の分野でご活躍されてきた先生です。優しい雰囲気の中に、教育や経営への真摯な思いが感じられる先生で、色々と素敵なお話を聞かせていただくことができました。
未来高等学校では、学校を休みがちになった生徒さんに対して、その子の気持ちを追い込まないように配慮をしながらも、通学時に家まで直接先生が出かけていき、学校に誘って車で連れてくることがあるそうです。
そんな時、先生が明るい雰囲気で迎えに行き、コンビニで休憩したり、車の中でゆったりと話しながら学校に向かうと、家では暗い表情だった生徒さんが、学校に着く頃には笑顔になっていることが多いとのことで、生徒さんとの関わりを丁寧に持つことの大切さをお話してくださいました。
また、学校行事では「本物に触れる」機会を大切にされていて、学校行事の中で、筑波研究学園都市まで出かけて行き、本物の研究者に話を聞く機会を設けたり、相撲部屋の見学や裁判の傍聴など、さまざまな機会を用意されているとのことでした。
他にも、学校教育に関する色々なお話をしてくださいましたが、どのエピソードからも茅野先生をはじめ、先生方がひとり一人の生徒さんと丁寧に向き合っている様子が目に浮かぶようでした。
また、生徒さんの心の琴線に触れるものが見つけられるように、大人の側が一所懸命に考えて、日々の教育に取り組んでいらっしゃるのが伝わってきました。
その後、校内を見学させていただきましたが、10~20人ほどが入れる小さめの教室が3つあり、通信制の教材に沿いながら、先生方が熱心に指導していらっしゃいました。
また、子どもたちが集まることができる広い教室もあり、そこには生徒さんたちが描いた絵が飾ってありましたが、それぞれに持ち味が違う素朴な絵であったのが印象的でした。
「子ども自身がやる気にならなければ教えることはできないし、教える側が本気でなければ、子どもを本気にさせることはできない」と茅野先生がお話されていましたが、どの教室でも生徒さんが真っ直ぐに目の前の課題に取り組んでいる姿を見て、その言葉の意味を実感することができました。
中学時代に不登校も含め、色々な経験をしてきた子どもたちが、自分の意志で真剣に課題に取り組んでいる様子は、学校教育の崩壊などが伝えられる時代において、ある種のすがすがしさを感じさせられる光景でした。
実際に、高校卒業後の進路についても、大学に進学する生徒の人数も多く、進学をしないで就職を希望する生徒も安定した会社に入社できているとのことです。
茅野先生は、生徒のカウンセリングを担当されているそうで「気持ちを相手の目線に揃える」ことが、カウンセリングマインドの本質であるとおっしゃっていました。
そして、仕事が忙しかったり、家庭が落ち着かなかったりして、大人の気持ちに余裕がない時には「気持ちを子どもの目線に揃える」ことができずに、子どもの側に問題があると思いがちだが、本来は大人の問題であるとのこと・・・。
振り返れば、私にもそのような経験があり、少々耳の痛いご指摘でした。
今回、私は地域の社会資源の把握という目的で見学に伺ったのですが、自分自身が2人の子どもを持つ親の立場として、多くのことを学ばせていただくことができました。
お忙しい中、貴重な時間をいただいた茅野先生をはじめ、ご対応いただいた先生方、生徒の皆さんに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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