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対人援助のお仕事

「第14回 全国若者・ひきこもり協同実践交流会inあいち」に参加してきました。

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 こんにちは。愛知県安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。

 2月9日、10日に名古屋工業大学にて行われた「全国若者・ひきこもり協同実践交流会inあいち」に参加してきました。

 この大会は、全国各地で行われている若者支援・ひきこもり支援などの取り組みを集め、実践を題材に学び合ったり語り合う集まりです。

 今回の大会では、「”私”の問題を”わたしたち”のチャレンジに」をテーマに、全体シンポジウムと教育、依存、家族、余暇、アウトリーチなど20を超える分科会が開催され、700名近くの当事者、家族、支援者などが集まりました。

 初日の全体シンポジウムでは「思いをつなげる『ことば』を探るー排除・適応・棲み分けを超えて」というテーマで、4人のシンポジストの方々が自らの実践や研究について発表したり、その中から紡ぎだした言葉に焦点を当てて、その思いを伝えていました。

 特に印象的だったのは、日本で最も自殺の少ない町の研究をされている岡壇さんが発表されていた徳島県にある「旧海部町」の町民語録。

 旧海部町では、自殺を減らそうと躍起になって取り組みをしたわけではなく、町民の中に生きづらさを回避する文化が根付いていると岡さんは考えているそうです。

 その様子は「いろんな人がいたほうがいい」「おまいにも、出来ることがある」「一度目はこらえたれ(何度でもやり直せるという意味で)」といった町民の言葉から見て取れるとのこと。

 旧海部町では「生と業がわかっていて、綺麗ごとを言わない」ということや「想定外のことが起きるのが、世の中」という考え方を、多くの人々がデフォルトとして持っているのが、自殺率の低さにつながってるのではないかということでした。

 その後、1日目と2日目に分けて分科会が行われましたが、私は「家族」と「家族支援」の分科会に参加しました。

 「家族」の分科会では、愛知教育大学の川北稔先生が、時代による家族の変遷や、それに伴ってひきこもり支援の介入にも、変化が必要になってくるということについてお話をされていました。

 対人援助の仕事をする中で「家族が家族を支え切れない時代」になっていることを、私自身も肌で感じています。

 特に高齢者分野においては介護保険制度もあるため「家族」だけではなく「本人」を軸に据えて、支援を行っていくことについて、正直なところ、今まであまり深く考えることはありませんでした。

 しかしながら、若者・ひきこもりの支援において「家族」を見つめた時に、権利や制度として活用できるサービスが少ないことや、まだまだ「親」の役割に対する社会的な圧力が強いことについて、あらためて感じさせられました。

 続いて、2日目の「家族支援」の分科会では「親と子がしあわせになるために、みんなができること」をテーマに、愛知県精神医療センターの淵野真広先生のACTによる家族支援や、ひきこもりの方の家族の体験談の発表がありました。

 それらの発表を踏まえて「家族や家族全体を支援すること」の意味について考えた後に、グループによる事例検討を行いました。

 「今、私だったら何ができるのか」という視点が、今回の大会ではとても大切にされているのですが、その根底には若者やひきこもりの方々に対して、支援者だけではなく、当事者や家族、地域の人、知り合いなど、どんな人でも出来ることがあるという考え方があります。

 この事例検討も、さまざまな立場の人が参加されていたのですが、具体的にできることを「それもあり」「これもあり」というように、丁寧に拾い上げてながらまとめていくプロセスが心地よく、かつ実際の現場で役に立ちそうなアイデアがどんどん出てきたことが印象的でした。

 この場面だけではなく、本大会では「できもちワークショップ」をはじめとした、色々なワークショップやマルシェが開催されていて、いい意味での「ゆるさ」の中で、自分自身の興味・関心を大切にしながら学びを進めることができて、どの場面を切り取っても心地よい雰囲気に満たされていました。

 特に2日目のお昼ごはんに食べた「インドカレー」は、辛さを押さえてあるにも関わらず、スパイスの効いている本格派の味でビックリ!!

 昔の給食のお皿に山盛りで注いでいただいた上に、食べ終わったお皿を片付けようとしたら「おかわりはどう?」と勧められ、調子に乗って2杯目までいただくことに・・・楽しく幸せなランチタイムを過ごすことができました。

 そんな心地よい雰囲気の中で進められたという素敵な大会ではありましたが、シンポジウムや分科会で提示された内容は、なかなか厳しく重いものであることを心に留めておく必要があるなぁとも、私は考えています。

 例えば、大会冒頭のあいさつの中で、若者・ひきこもり支援も市場化の波にさらされることで、現場の実践者や団体が分断され疲弊していることが指摘されていました。

 登壇者は、そのような状況だからこそ、それを乗り越えていくために現場や地域、立場の違いを超えて、それぞれの実践に即した対話と交流による協働のネットワークを広げていく必要があると話していましたが、個人的にその言葉には深くうなずいてしまいました。

 残念なことではありますが、自らの実践や組織の利に意識が傾き、当事者不在の自己中心的な実践になったり、他の支援者や団体を「排除」する動きをとったりすることは、一人ひとりが強く意識をしていないと、知らず知らずのうちにしてしまいがちなことだと思います。

 私も含め、一人ひとりの人間や組織というのは、誰でもそのような「弱さ」を持っていると思うのですが、それを超えて、若者・ひきこもりの方々の課題に当事者、家族、支援者、団体などが「排除」ではなく「協同」によって取り組んでいく・・・。そのことの必要性を、今回の大会に参加させていただいて、痛切に感じています。

 私自身も、これから仕事を進めていく上で「排除」という動きをしないように気を付けていきたいと思いますし、そのような場面に出会った時には、それに対して「NO」という意思表示をすることができる人間でありたいと、心から思います。

 そして、自分自身がどのような活動に「参加」して、当事者や支援者の方々と共に「協同」していくことができるのかということを、常に考えながら仕事をしていきたいと考えています。

 今回の大会では、ご縁があって実行委員会から参加をさせていただくことで、さまざまな人たちと意見を交わしたり、その実践から多くのことを学ばせていただきました。

 一緒に事前準備をさせていただいた方々をはじめ、本大会にて出会うことができた全ての人に深く感謝します。本当にありがとうございました。

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