こんにちは。愛知県安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
夜、布団に入ってもなかなか寝付くことができなかったり、睡眠の途中で目が覚めてしまう・・・そんな経験はありませんか。
家庭や仕事で気になることや悩みごとを抱えていて、寝ようと思っても、そのことが頭をよぎったりして、一時的に眠れなくなることは、誰にでも経験があることだと思います。
ただ、一時的に眠れなくなることにとどまらず、常に「眠れなくてつらい」という状態が続いているのであれば、専門家にご相談をされることで改善する可能性があります。
よく眠れないと「不眠症になった」といったりしますが、実は眠れないからといって必ずしも不眠症であるとは限りません。
不眠症とは「入眠困難や早朝覚醒などの睡眠に関する問題が週に3回以上、かつ3か月以上続き、日中の活動に支障をきたして苦痛を感じる状態」のことをいいます。
そのため、眠れないという悩みがあっても、日中の活動に支障をきたしていなかったり、一時的に眠れないというのであれば、それは「不眠症」ではなく「不眠」ということになります。
ただ、注意しなければいけないのは、一時的な「不眠」が、何かをきっかけに続いてしまうことで、「不眠症」になることが少なからずあるということです。
また、睡眠に関しては、不眠の問題だけではなく、過眠や睡眠リズムの問題、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな問題(睡眠障害)があり、それぞれに応じた対処が必要となります。
当研究所では、不眠に悩んでいる方からのご相談には、さまざまな問題を視野に入れながら、必要な方に対して「不眠の認知行動療法」(CBT-I)というプログラムを導入したカウンセリングをご提供しています。
ここでは「不眠の認知行動療法」のプログラムで、どのようなことを行っていくのかについて、お伝えしたいと思います。
1.正しい睡眠の知識を学んだ上で実行してみる
世の中には睡眠についての色々な情報があふれていますが、その中で科学的に検討された「正しい知識」について、カウンセラーと一緒に丁寧に学んでいきます。
具体的には、不眠症の原因や体内時計のこと、日中の活動と睡眠の関係など、一般的な睡眠の知識について学ぶとともに、ご自身の睡眠の傾向や実態を把握するために「睡眠ダイアリー」を付けていただいています。
実際に「睡眠ダイアリー」を付けてみると、自分自身の生活リズムや睡眠の考え方について、色々な気づきや発見があったりして、睡眠の改善のためのヒントになることも少なくありません。
2.リラクゼーションの方法を学んだ上で実行してみる
不安や緊張というのは、リラックスと相反する関係にありますが、日中の不安や緊張をそのまま寝床に持ち込んでしまうことはないでしょうか。
不安や緊張があると、どうしても眠りは妨げられがちになります。そのため、少しでも緊張をほぐし、リラックスした状態になれるように、リラクゼーションの方法について学んでいきます。
具体的には「筋弛緩法(きんしかんほう)」や「自律訓練法」という緊張をほぐすメソッドを覚えていただき、日中と布団に入る前に行っていただきます。
ちなみに、このメソッドは不眠だけではなく、イライラや気持ちを落ち着けたいときにも役に立つので、1度覚えるとさまざま場面で活用することができます。
3.睡眠スケジュール法を学んだ上で実行してみる
なかなか寝付けなかったり、睡眠が断続的になるのはつらいものですが、そのような状態から睡眠の効率を上げていくことを目指す方法として、睡眠スケジュール法があります。
この方法は身体の「疲れ」と「リズム」について見直すことで、睡眠時間と睡眠の質を上げていく方法で、「睡眠ダイアリー」を活用しながら、いくつかのルールを守りながら、日常の睡眠の改善に取り組んでいただくことになります。
以上が「不眠の認知行動療法」の、主なプログラムの内容になります。通常はこれらの内容を、4回から6回程度の回数で、1~2ヶ月ほどかけて行うことになります。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このプログラムは知識を学ぶことだけではなく、学んだことを「実行する」ということが、成果をあげるための大きなポイントになっています。
そのため、イメージとしては、クライアントさんとカウンセラーが「二人三脚」のような感じで、モチベーションを高めたり、励ましたりしながら、睡眠の改善という目標に向かって、一緒に取り組んでいく感じになります。
ちなみに、このプログラムに取り組んだ不眠症の方の約7~8割に改善が見られたというデータもあり、効果が期待できるプログラムと言われています。
もし不眠に悩んでいらっしゃるのであれば、ぜひお気軽にご相談をいただけたらと思います。
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