こんにちは。安城市にあるカウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所の原田亘です。
今日の午後からは、名古屋駅近くにあるウインクあいちにて行われた「障害のある子の家族が知っておきたい『親なきあと』~『親あるあいだ』の準備」という講演会に参加してきました。
この講演会は株式会社みんなの福祉村が主催したもので、私は今回はご縁がありまして、司会の役目を仰せつかりました。
本日の講師は「親なきあと」相談室を主宰されている行政書士・社会保険労務士の渡部伸先生で、渡部先生のお子さんも知的障害を持っていらっしゃるそうです。
障害を持つお子さんの親御さんとしては、「親なきあと」について漠然とした不安を持っていることが多いのですが、その答えをはっきりさせること自体がなかなか難しいとのこと。
渡部先生は、その不安については、①お金で困らないための準備をどうするか、②生活の場はどのように確保するか、③日常生活で困った時のフォローをどうするか、の3点に集約できるとおっしゃっています。
今回の講演会では、障害者本人が得ることができる収入や、親の財産を障害のあるお子さんにどう渡していくのかという視点から、遺言や信託の制度について詳しくご説明をされていました。
また、若い障害者にとって成年後見制度が以外と使いづらい制度であることなどについても、その内容と実情について丁寧にお話されていました。
私が今回の講演会で一番心に残ったのは「周囲や行政など、社会との接点さえあれば、本当に困ったときには救ってもらえるくらいの体制は日本にはある。しかし、接点がなくて誰も困っていることに気が付かない状態であれば、救おうにも救えない」という渡部先生の言葉です。
渡部先生の書かれた著書もそうですし、今回のご講演もそうなのですが、障害を持つお子さんの親御さんがまず知りたいことについて、非常にわかりやすく丁寧にお伝えされています。
親御さん自身が障害を持つお子さんの世話ができなくなったときにどうしたらいいのか・・・という素朴な不安や悩みについて、渡部先生は当事者としての温かな目でひとつずつご説明をされていました。
その上で、自らの状況や不安について、まず相談できる人や場を作ること・・・それによって、社会との接点が生まれてくると講演会の中でもお話されていました。
ちなみに、渡部先生は「親なきあと」相談室を主宰されているのですが、それは専門的な相談窓口や制度など、ある種の縦割りの窓口に相談するのはハードルが高いため、まずは「はじめの一歩」で障害を持つお子さんの親御さんが相談できる場を作りたいという思いで開設したとのこと。
渡部先生の「障害を持つ子に寄り添って活動してくれる人」を、地域に一人でも増やしたいという思いに賛同する全国各地の個人や法人の方々が、渡部先生と連絡を取り合って、自らの地域で次々と「親なきあと」相談室を開設されているそうです。
昨晩は本日の講演会の打ち合わせを兼ねて、渡部先生と社長の大林様と一緒に、3人でお酒を飲みながら色々なお話をさせていただきましたが、渡部先生は本当に優しくて飾らないお人柄で、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。
そんな渡部先生のお人柄と、支援者を地域に一人でも多く増やしたいという熱い想いに魅かれて、どの方も「親なきあと」相談室を開設されているのだろうなぁと感じました。
渡部先生とご一緒したり、お話をお伺いする中で、当研究所でも「親なきあと」相談室の活動を行いたいという気持ちが、私の中にムクムクとわいてきています。
今回、そのような前向きな気持ちにさせていただいた渡部先生、そしてご縁をいただいた株式会社みんなの福祉村の大林様に感謝・感謝です。
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