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利用者様の体験談

【企業内研修の体験談】~株式会社みんなの福祉村 大林俊之様の場合~

更新日:

カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所では、それぞれの組織課題に合わせた「オーダーメイド」の研修について、法人様や企業様向けにご提供をしています。

今回は、名古屋市西区にある「株式会社みんなの福祉村」にて、企業内研修として実施した「ソーシャルスキルトレーニングの導入のための研修」について、同社の代表取締役である大林俊之様に体験談をお伺いました。

株式会社みんなの福祉村

代表取締役 大林 俊之 様

1978年山口県生まれ。大学在学中から、障害を持つ方々の地域活動の支援に携わる。

大学卒業後は、急性期病院をはじめ、高齢者施設、障害者施設にてソーシャルワーカーとして活躍し、2015年に「株式会社みんなの福祉村」を起業する。

同年9月に、名古屋市西区に就労継続支援B型事業所の「じゃがいも」を開設。「その人なりの生活とハピネスを応援する伴走支援」という理念に基づき、事業経営と障害を持つ方の支援を行っている。

<株式会社みんなの福祉村 ホームページ>

http://minna-fukushi.co.jp/

「ソーシャルスキルトレーニング」(以下、SST)とは、人が社会のなかで暮らしていくのに必要なスキルについて、ロールプレイなどによって身に着けていくための専門的な支援技術です。

今回の研修では、メンバー(利用者)の方へのSSTの実演と、スタッフ(職員)の方々がSSTを実施できるようになるための指導ということで、計3日間の研修プログラムを実施させていただきました。

「ペアレントトレーニング」のワークショップがきっかけ

―今回、企業内研修として「ソーシャルスキルトレーニングの導入のための研修」のご依頼をいただき、本当にありがとうございました。

大林様:こちらこそ、ありがとうございました。

―企業内研修を依頼してみようと思ったきっかけについて教えてください。

大林様:以前、うちの法人で障害を持つお子さんの親を対象にした「ペアレントトレーニング」を原田さんに実施していただいたことがありました。

計5回のワークショップでしたが、その時に参加されたお母さん方の評判がとてもよかったので、ぜひ企業内研修についてもお願いしたいと思いました。

―ありがとうございます。

大林様:ご依頼した時の組織課題として、メンバーの方への支援の内容を、今まで以上に充実させたいということがありました。

そのため、認知行動療法や哲学対話のグループワークなどのプログラムを行ったりしていたのですが、そのプログラムの中に新たにSSTを加えることで、プログラムの幅を広げて、発展していきたいという思いがありました。

―事業所としても、次のステップを目指すための大切な時期だったのですね。

大林様:はい。その点で原田さんのことはよく存じ上げていたので信頼していましたし、こちらの要望を伝えれば、組織の意向とスタッフの意向について、どちらも上手に汲み取りながら進めてくれるのではないかという期待がありました。

その人なりの成長と幸せを実現できるように支えたい

―その期待について、もう少し詳しく教えていただけますか?

大林様:まずは、SSTを導入することで、メンバーの方々の社会的コミュニケーションが上手になっていただけたらという願いがありました。

―それは、大林様が事業所運営をされる中で、とても大切にされていることですよね。

大林様:そうですね。障害を持つ方々は、一般の方との成長課題とは違うところがあるかもしれません。また、当社の理念にもある「ハピネス」というのも、人によって違いがあるものだと思っています。

ただ、私はその中にも共通基盤があると考えています。

具体的には「居場所があること」、「自由があること」、「人とのつながりがあること」、そして「役割があり、成果が得られて、承認されること」などがあげられます。

そのことをふまえた上で、その人なりの成長と幸せを実現していくために、寄り添いながら伴走支援をしていきたいと思っています。

―その思いを実現するための1つのツールとしてSSTの導入のための研修を活用したいと思ったのですね。

大林様:はい。私はスタッフ全員で1つの目的に向かって、物事の考え方や知識を学ぶこと、そしてその学びを吸収していくエネルギーこそが、組織やスタッフが成長する上で大切なことだと思っているので、その点についてもよい機会になるのではと期待していました。

緻密に設計された研修プログラム

―実際に研修を導入されてみて、いかがでしたか?

大林様:打ち合わせの段階でも感じたのですが、研修のプログラムが緻密に設計されていることに感心しました。

プログラムでは、座学だけではなく、実技を行う機会が設けられているので、どのスタッフも途中で飽きることなく、無理なく自然に実践で役に立つ内容を学ぶことができていたと思います。

―具体的に役に立つ内容としては、どのようなことがありましたか?

大林様:何よりも和やかな雰囲気の中で、スタッフがSSTのグループのリーダー役を体験することができたことですね。

最初は当然ぎこちなかったのですが、原田さんのお人柄や参加しているメンバーのやさしさもあり、グループがだんだん和やかな雰囲気になっていきました。

ちなみに、この研修を導入してから、スタッフが自分で主体的に考えて動く場面が増えましたし、自ら成長していきたいという気持ちを感じることが多くなりました。

その点では、SSTのやり方を学ぶこと以上に、リーダーとしてグループの進行を最後までやり切ることができたという体験が、それぞれのスタッフの自信につながったのではないかと考えています。

―その他にも研修後に変化を感じたところはありましたか?

大林様:メンバーの視点でいえば、メンバーが自ら練習したい課題をあげて、SSTをして欲しいという要望を出すことが増えましたね。

―具体的には、どのような課題があるのですか?

大林様:例えば「気乗りしない人から電話番号を聞かれた時に、相手を傷つけずにどのように断ったらよいのか」とか「ちょっと苦手な人と一緒に座った時にどう対応したらよいのか」とか、社会生活のさまざまな場面のことを課題としてあげていらっしゃいます。

―それらの課題は、実は障害を持った方だけではなく、社会生活を営む上で、誰にとっても課題となる内容ですね。

話の引き出しが多く、わかりやすい

―講師の印象はいかがでしたか?

大林様:とても朗らかで笑顔が素敵な方だと思います(笑)

原田さんは、福祉業界をはじめ、さまざまなフィールドでのご経験があるからか、話の引き出しが多いなぁと感じています。

また、組織の意向とスタッフの意向の両方を上手に汲み取ってプログラムを展開してくださったのがありがたかったです。

私も色々な人と仕事をしてきましたが、それが上手にできる人というのは、なかなかいないと思います。

原田さんとお話をしていると、どのフィールドでも、色々な経験と自己研鑽を積み重ねてきたのだろうなぁということが、よく伝わってきます。

―研修や講座の導入を検討している担当者の方に、おすすめのポイントがあれば教えてください。

大林様:とにかくわかりやすいというのが一番のおすすめポイントだと思います。

経験の浅いスタッフでも取り残されることがなく、SSTのリーダーができるところまで引き上げていただけたのは、大きな成果だったと思います。

また、今回の研修は、スタッフが一丸となって働くためのベクトル合わせのツールとして活用することができました。

その点では、組織課題の解決のための1つのツールとして使うことができるというのも、おすすめのポイントだと思います。

メンバーの働き方の選択肢を増やしていきたい

―これからの目標について教えてください。

大林様:当面の目標としては、障害を持つメンバーの働き方の選択肢を増やしていくことと、親なき後に関する補完サービスを開発していきたいと考えています。

また、当面の課題として「じゃがいもの風土・ムード・文化を大切にしていくこと」、「今いるメンバーの大切な暮らしを守っていくこと」、「スタッフが働きやすい環境を作ること」の3つに力を入れていきたいと思います。

―一緒にお仕事をさせていただく中で、大林様がメンバーの方々に優しく丁寧に支援をされているところや、スタッフの方々への細やかな心配りをしている場面を拝見しました。そのようなご対応が「じゃがいも」という事業所全体の雰囲気の良さにつながっていると思います。

大林様:ありがとうございます。やはり支援はスタッフを介して提供するものですから、スタッフが元気じゃないとダメだと思っています。

また、福祉事業は「福祉」と「事業」のどちらかに力を入れるのではなく、両方とも高い次元で展開していくことが必要だと考えています。

そのため「支援」と「経営」は両輪であることを肝に銘じながら、メンバーとスタッフの「ハピネス」の実現のために、努力を重ねていきたいと思います。

―ますますのご発展を心より応援しています。ありがとうございました。

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