カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所では、保育者・支援者・教師を対象にした「ティーチャートレーニング」を実施しています。
このプログラムでは、子どもと関わる職業に就いている人が、それぞれのお子さんの特性に応じた対応を学び、効果的な支援をしていくために役立つ考え方と、具体的な技術について学んでいきます。
1回コースと3回コースがありますが、どちらも「認知行動療法」の理論をベースにしながら、お1人もしくは少人数のグループにてプログラムを進めていくのが特長で、ロールプレイやホームワークを通して、楽しくスキルアップができる内容となっています。
今回は、小学校で音楽を教えている教員のKさんに、3回コースの「ティーチャートレーニング」を受講された体験談を伺いました。
「何だかうまくいかないなぁ」という思い
ー今回「ティーチャートレーニング」のプログラムにお申込みいただいたきっかけを教えてください。
Kさん:ずっと学校で教員をしてきたのですが、数年前に事情があって一旦退職をしました。
その後、1年ほどのブランクがあったのですが、その期間に一般企業で働いたりする中で、あらためて子どもと関わったり、自分自身の専門である音楽を教えることが好きなんだなぁということを再認識しました。
その後、ご縁があって障害児の個別支援を行う事業所で働きはじめたのですが、子どもと1対1で支援を行うという点で、学校の教員としての関わり方とは勝手が違うこともあって、常に「何だかうまくいかないなぁ」という思いを持っていました。
その時に、信頼している同僚に話を聞いてもらっていたのですが、今回、その同僚から「ティーチャートレーニング」というのがあるけど受講してみないかと誘われたのがきっかけです。
その後、学校現場に復帰して、今年度から再び小学校で音楽の先生として働いています。
ざわざわのクラスが、ほめられたことで「ピッ」とやる気がでたりして・・・
ーこのプログラムを受講したことで、何を学ぶことができましたか?
Kさん:子どもを「ほめる」ことが大事だということに、あらためて気づかせてもらったのが一番の大きな学びでした。
現場で仕事をしていると、どうしてもクラスが落ち着かない時期があったりして、そういう時は子どもたちを叱ってばかりという日が続いてしまうことがあります。
そういう時って「ほめる」ことの大切さはわかっていても、私たち教員の側の余裕がなくなってきて「どこを、どうやってほめたらいいんだ」と、途方に暮れてしまったり・・・。
今回、そんな場面があったときに「ティーチャートレーニング」で学んだことを意識して、大事な場面で思い切り「ほめる」ことをしてみました。
そうしたら、普段はざわざわしているクラスが、ほめられたことで「ピッ」とやる気がでたりして・・・。(笑)
ここぞという時には、子どもたちのことを一生懸命ほめることが大切ですし、「早くやりなさい」ではなく「どこの班が早いかなぁ」なんて、言い方を変えるだけで子どもたちが張り切って物事に取り組むようになるんですよね。
本当に「ほめる」ことや「言葉がけ」って大事なんだなぁって思いますし、ティーチャートレーニングを受講したことで、その効果をあらためて実感することができました。
心地よい関係ができてくると、コミュニケーションの取り方が変わってくる
ー講座が終了してから、自分の中で何か変化はありましたか?
Kさん:はい、大きな変化がありました。大アリです。(笑)
先ほどお話したように、まず自分自身の意識が変わりましたし、「ほめる」ことや「指示」をする時のポイントについて学んだことで、子どもたちとの関わりの中で一旦考えたり、落ち着いた対応ができる場面が増えてきました。
「ほめる」ことにより、お互いにとって心地よい関係ができてくると、コミュニケーションの取り方も変わってくるなぁと感じています。
基本的なことですが、一人ひとりの子どもの違いについて、しっかりと見つめて、フォローをしたり対応を変えていくことが大切だと思いますし、同じことを「ほめる」にしても、学年によって言葉かけを変えたりすることで、よいコミュニケーションを取ることができたりしています
ーティーチャートレーニングでは「子どもの行動をどのようにほめたか」ということを実際に行ってみるというホームワークがあります。今回Kさんが一人ひとりのお子さんの行動をよく見て、それぞれの心に届くような、素敵なほめ方をしていたのが印象に残っています。
Kさん:ありがとうございます。まだクラスによっては落ち着いていないところもあるので、今回の講座で学んだことを、もう1回振り返りながら、色々と工夫をしていきたいと思っています。
ーちなみに、講師の原田に対しては、どんな印象を受けましたか?
Kさん:原田さんは、優しく穏やかな雰囲気の方なので、どんなことでも、安心して質問をすることができました。
ホームワークの課題も、ロールプレイを行った時も、私のいいところを必ず見つけてほめてくれたのが、とてもうれしかったですし、3日間楽しく学ぶことができました。
また、どのようなことを言っても、きちんと受け止めた上で、具体的な例をあげながら話をしてくれたので、他の研修と比べても、より学びを深めることができました。
この講座では、グループの雰囲気が良く、少人数ということもあって、職場では「こんなことを言ったら、どう思われるだろうか?」と思ってしまうような内容のことでも、気兼ねなく聞くことができたのがよかったと思います。
教師として自分自身がほめられる体験は重要
ーこれから受講を考えている方に、講座のおすすめポイントを教えてください。
Kさん:どんな内容なのかと、なかなか一歩を踏み出せなかったり、子どもたちとの関わり方に色々と悩んでいる人もいると思うんですよね。
そんな人には「講師の先生もいい人だし、ちょっと気軽に受けてみたら」と声をかけてあげたい気持ちです。
とにかく、わかりやすい内容ですし、自分自身がほめられながら、ロールプレイで練習をしたり、ホームワークに取り組んだりして成長できるのは、教師として子どもと関わる上で、重要かつ貴重な体験になると思います。
ーKさんの学校現場でのますますのご活躍を期待しています。本当にありがとうございました。
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