こんにちは。安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
今日は、名古屋市中村区にある「特定非営利活動法人ひだまりの丘」(以下「ひだまりの丘」)にて、副理事長の蛯沢光さんとファミリーソーシャルワーカーの中山志野さんに事業内容などのお話をお伺いしてきました。
「ひだまりの丘」は、中村区の八社あいわ保育園と小規模保育事業所を2ヶ所、地域子育て支援拠点を3ヶ所の運営に加えて、ベビーシッターと児童養護施設での学習支援事業を行っています。
もともとは、日本福祉大学の学生さんが行っていた、学内のベビーシッターサービスの活動が法人の発祥ということで、現在もベビーシッターと学習支援は学生さんの若い力を中心に事業が進められているそうです。
「学生さんは経験が浅い分、配慮をしなければいけない点もあるけれど、子どもへの真っ直ぐなまなざしや気持ちのこもった対応などを見ていると、子どもたちにもよい影響があるし、私自身も含めて学ぶべきところがある」
そのようにお話される副理事長の蛯沢さんも、学生時代から児童福祉の活動に関わっていたとのこと。現在も「ひだまりの丘」以外に、社会的養護の事業を行うNPO法人の理事長として活躍されています。
そして「ひだまりの丘」の大きな特徴として「ファミリーソーシャルワーカー」を独自に採用していることがあげられます。
ファミリーソーシャルワーカーの中山さんは、医療ソーシャルワーカーとして長年活躍された後、そのご経験を活かして「ひだまりの丘」と、学校分野のソーシャルワークにも携わっているとのことです。
蛯沢さんのお話によると、小規模保育事業所の運営をする中で、親子の心理的支援や環境調整をはじめ、個別の支援が必要な場面がよくあり、現代の保育所にこそ、保育という枠組みを超えた「ソーシャルワーク」という視点が必要であることを感じて「ファミリーソーシャルワーカー」を採用したいと考えたそうです。
現在、中山さんは個別の支援だけではなく、保育士の方々に権利擁護も含めた「ソーシャルワーク」の視点を伝えていくことに力を入れているそうで、研修などにおいて工夫をしながら実践をされているとのこと。
中山さんは、蛯沢さんと私がお話をしているときに、本当にタイミングよく笑顔で相づちを打ってくださったり、話題が深まるように質問を掘り下げてくださったりと、常に細やかな心配りをされていて、日常での素晴らしいご実践の様子が目に浮かぶようでした。
「ひだまりの丘」では、中村区をはじめとした地域において、人と人とのご縁を大切にしながら事業展開をされてきたとのことで、新しい保育園を開園する時も、住民説明会という形で一斉に説明を行うのではなく、1件ずつ個別に訪問をして理解を求めたり、周囲の住民の要望を形にしてきたそうです。
「路上駐車がないように園の駐車場を多く確保したり、園児の声などの音に関しても、住宅が隣接している窓のガラスは厚いものを使用するなど、一つひとつ住民の要望に誠実に対応することで、保育園を地域の人とともに作り上げてきた」
そんな蛯沢さんの体験談は、昨今とりただされる保育・福祉施設の建設問題における、素晴らしい実践による解答例であると、私は感じています。
今回、さんぽ幸せ研究所の活動についても、色々とお話をさせていただいたのですが、大変印象的だったのは「チラシを配ったり、何か協力できることがあったら何でも言ってくださいね」と蛯沢さんと中山さんがおっしゃってくださったことです。
「ひだまりの丘」では、自分たちの事業だけで完結できるということはないのだから、他の事業や活動にも積極的に協力をしていく姿勢を大切にしているそうです。
言葉にすれば耳障りがよいのですが、実際に他の事業や活動に対して、温かく優しいまなざしをもって行動しつづけることは、なかなかできることではないと私は考えています。
しかしながら、蛯沢さんや中山さんとお話をさせていただくと、その人が持っている力を最大限発揮することができるように行動をしていることが、エピソードや内容からひしひしと伝わってきます。
そんな温かく優しいまなざしの中で育っていく子どもたち、そして親も安心できる場所・・・お2人のお話から事業運営だけではなく、対人援助者として大切なことをあらためて学ばせていただくとともに、私自身励まされる気持ちで帰路に着きました。
お忙しい中、貴重な時間をいただき、素敵なお話を聞かせてくださった蛯沢さんと中山さんに感謝・感謝です。
本当にありがとうございました。
※3人で撮った写真は中山さんからご提供いただきました。あらためてお礼申し上げます(^^)
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