こんにちは。安城市にある「カウンセリングとソーシャルワークのさんぽ幸せ研究所」の原田亘です。
私は幼稚園に勤めていた時に、絵本が持っている温かな味わいと世界の奥深さにドップリとはまってしまった一人です。そのため、自宅の本棚にはかなりの数の絵本が並んでいます。
私も2人の子を持つ親なので、子どもを膝にのせて一緒に絵本を読むことが多いのですが、そういう楽しみ方とは別に、絵本は「大人のアート」として十分に楽しむことができると、私は考えています。
以下は、ある冊子に「大人の絵本の愉しみ」というテーマで寄せた文章です。
「大人の絵本の愉しみ」
1.大人になってから「絵本」を手に取ってみたことはありますか
「絵本」は子どものためだけの書籍だと思われがちです。しかしながら、実は「絵本」には子どもだけではなく、大人を十分に楽しませる「エネルギー」があると、さまざまな人々が語っています。
例えば、ノンフィクション作家の柳田邦男氏は「大人こそ絵本を読もう」という働きかけを続けていますし(※1)、臨床心理学者の河合隼雄氏(故人)は「〇歳から百歳までが楽しめる」として絵本の奥深い可能性について語っています(※2)。
また、高齢者と絵本を読み合う実践に関しても、複数の書籍が出版されています(※3)(※4)。
2.子どもも大人も愉しむことができる絵本
先にあげた河合氏の言葉にも見られるように、絵本は年齢制限がなくエイジフリーな書籍です。しかしながら、実際には「子どもが楽しめる絵本」、「大人が楽しめる絵本」、「子どもも大人も楽しめる絵本」の3種類に分類することができると思います。
これらの中で「子どもも大人も楽しめる絵本」には、人にお勧めできる絵本や良書と言われる絵本が多いように感じます。
ちなみに、どんな人間にも必ず「長所」があるのと同じように、どの「絵本」にも必ず素敵な場面や印象に残る場面があると私は考えています。また、絵や文章の好みは読み手によって大きく異なります。
私は、「人とのお付き合い」をするように、絵本とのお付き合いをしていくことが大切だと考えています。
その点では、「いい人(良書)」とばかり付き合っていては肩が凝りますので、早めに「気が合う人(好みの絵本)」を見つけることは、絵本とのお付き合いにおいてポイントになるのではと思います。
3.大人の絵本の愉しみ方
子どもには子どもの絵本の愉しみ方があり、大人には大人の絵本の愉しみ方があるというのが私の持論です。ここでは、私が考える「大人の絵本の愉しみ方」を、3つあげさせていただきます。
1つ目は、「絵本を芸術作品として眺めたり飾ったりする愉しみ方」です。
絵本はデザインが優れているため、自分の好きな絵本を棚や空いているスペースに立てかけて飾るだけで、おしゃれで素敵な空間に早変わりします。
また、芸術作品としては値段が手ごろであることも大きな魅力ですし、私の経験上、友人や知人へのプレゼントとして、メッセージカードと共に手渡すと喜ばれることが多いです。
2つ目は、「想像力を膨らませたり、自らの体験や思いを巡らせる愉しみ方」です。
絵本は内容がシンプルであるため、読み手がその行間に自らの体験や想像を自由に巡らせることができます。そのため、絵本を読んで子どもの時のことをはじめ、昔のことを懐かしく思い出して温かな気持ちになることは少なくありません。
また、ストーリーが秀逸な絵本も多く存在するため、自らの人生について気付きを得ることや、今までの体験を整理するきっかけとなることもあったりします。
3つ目は、「絵本が扱っている多岐なテーマや奥深い世界を学ぶという愉しみ方」です。
絵本の世界には、人間の誕生から終末期の看取り、天国と地獄、友情、地方の民話、動物の生態、身体の仕組み、そしておばけの世界まで、ありとあらゆる内容が拡がっています。
また、生と死の問題など、高齢者や対人援助者にとって身近であり、強く訴えかけるテーマの作品が充実していることも特筆すべき点としてあげられます。
(「大人の絵本の愉しみ(後編)」に続きます)
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