
リラクセーション法とは
私たちはストレスを感じると、身体は無意識のうちに緊張し、心拍数が上がったり筋肉がこわばったりします。
このような状態が長く続くと、頭痛や肩こり、不眠、イライラ、気分の落ち込みなど、心と身体のさまざまな不調につながることがあります。
リラクセーション法とは、意識的に心と身体の緊張をゆるめ、落ち着いた状態を整えていくためのセルフケアの方法です。
日常生活の中で取り入れることで、ストレスによる心身の負担をやわらげる効果が期待できます。
ここでは、当所で実施している代表的な3つの方法について説明します。
マインドフルネス
マインドフルネスとは「今この瞬間」に意識を向けることで、心を落ち着かせる力を育んでいくトレーニングです。
過去の失敗や未来の不安にとらわれるのではなく、呼吸や身体の感覚に注意を向けながら、「今、ここで」起こっている体験を評価せず、そのまま受け止めていきます。
さまざまな実践方法がありますが、代表的なものの1つが「呼吸の出入りに意識を向ける方法」です。
静かな場所で楽な姿勢をとり、呼吸の出入りに意識を向けながら、今、この瞬間の身体の感覚を丁寧に感じ取っていきます。
途中で雑念が浮かんできた場合には、それを無理に消そうとせず「考えが浮かんできたな」と気づきつつ、やさしく呼吸へ意識を戻します。
また、歩くことや食事をすることなど、日常生活のさまざまな場面でも、今、この瞬間に注意を向ける練習を行うことができます。
自律訓練法
自律訓練法は「公式」と呼ばれる決まった言葉を心の中で繰り返しながら、身体の感覚に意識を向けていくリラクセーション法です。
例えば「腕や足が重たい」、「腕や足が温かい」といった言葉を思い浮かべながら、身体の感覚に注意を向けることで、全身の力がゆるみ、副交感神経が働きやすい状態になります。
その結果、心身が深く落ち着いたリラックス状態に入りやすくなります。
練習を重ねることで、短い時間でも落ち着いた状態に入りやすくなりますが、練習の最後には手足を動かしたり背伸びをしたりして、身体を元の状態に戻すことが大切です。
漸進的筋弛緩法
漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)は、身体の各部分に一度しっかりと力を入れ、その後ゆっくり力を抜くことを繰り返すリラクセーション法です。
手や腕、顔、肩、足などの筋肉を順番に緊張させ、その後一気にゆるめることで「力が抜ける感覚」を身体ではっきりと感じられるようになります。
この練習を続けることで、自分の身体の緊張に気づきやすくなり、日常生活の中でも自然にリラックスしやすくなります。
身体を動かしながら行う方法であるため、じっとして行う練習が苦手な方にも取り組みやすい方法です。
リラクセーション法はどのような症状に効果があるのか
リラクセーション法は、ストレスや緊張を感じやすい方に、幅広く役立つセルフケアの方法です。
イライラしやすい、気分が落ち込みやすい、集中しにくいといった心の不調や、肩こり、頭痛、疲れやすさ、不眠など、ストレスに関連した身体の症状の改善に役立つとされています。
当所においても、さまざまなリラクセーション法を積極的に取り入れており、日常生活の中で無理なく取り組める方法として、子どもからご高齢の方まで、多くの方々からご好評をいただいています。
<参考文献>
・ジョン・カバットジン「マインドフルネスストレス低減法」北大路書房、2007.
・ティク・ナット・ハン「ティク・ナット・ハンの幸せの瞑想」徳間書店、2022.
・佐々木雄二「自律訓練法の実際」創元社、1976.
・下山晴彦編「公認心理師技法ガイド」文光堂、2019.
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