
ペアレント・トレーニングとは
ペアレント・トレーニングは、子どものよい行動を増やし、困った行動を減らしていくための具体的な関わり方を学ぶ、保護者を対象とした支援プログラムです。
この方法は1970年代にアメリカで発展し、現在では日本でも医療機関や教育機関、相談機関などで広く実施されている、科学的根拠に基づいた子育て支援の方法の1つです。
このプログラムでは、保護者がもともと持っている愛情や子どもを理解する力を大切にしながら、より効果的な関わり方を一緒に見つけていくことを重視しています。
また、内容は認知行動療法の考え方をもとに構成されており、日常の子育ての場面で役立つ具体的な関わり方を、実践的に学んでいくことができる点が特徴です。
ペアレント・トレーニングは、もともと発達に特性のある子どもの保護者を対象として始まりましたが、現在では発達特性の有無に関わらず、子育てに悩みを感じている多くの家庭に役立つ方法として活用されています。
どのような場合に効果があるか
ペアレント・トレーニングは「子どもがなかなか言うことを聞かない」、「かんしゃくや反抗が多い」、「朝の準備や宿題が進まない」など、日常生活の中で困りごとがある場合に効果が期待できます。
また、子どもに対してつい叱ることが増えてしまうことに悩んでいる場合や、親子関係がぎくしゃくしていると感じている場合にも、関係の改善に役立つことが知られています。
さらに、育児によるストレスや不安、孤立感などを保護者が感じている場合にも、子どもへの関わり方を見直すことで、気持ちの負担が軽くなることが期待されています。
ペアレント・トレーニングの特徴
ペアレント・トレーニングの大きな特徴は、親子関係の中で起こりやすい悪循環を見直し、よりよい関係の流れへと変えていくことを目指している点にあります。
子どもの困った行動に対して叱ることが増えると、子どもは自信を失いやすくなり、その結果として問題行動がさらに増えるという悪循環が生じることがあります。
このプログラムでは、子どもの小さな努力やできたことに気づき、それを具体的にほめていく関わりを増やすことで、子どもの自信や意欲を育てていくことを大切にしています。
その結果、子どもの安心感や自己肯定感が高まり、望ましい行動が少しずつ増えていくことが期待できます。
また、このプログラムでは保護者を評価したり指導したりすることよりも、保護者の努力や工夫に着目しながら、支持的な雰囲気の中で学びを進めていくことを大切にしています。
そのため、保護者自身も安心して取り組むことができ、親子の双方に前向きな変化が生まれていくことが期待されています。
<さらに詳しく知りたい方へ>
<参考文献>
・岩坂英巳編「ペアレント・トレーニング ガイドブック」じほう、2012.
・上林靖子監修「発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル」中央法規、2009.
・下山晴彦編「公認心理師技法ガイド」文光堂、2019.
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