
ナラティブ・エクスポージャー・セラピー(NET)とは
ナラティブ・エクスポージャー・セラピーは、トラウマなどのつらい記憶や体験について「人生の物語」として語っていただき、それらを時系列に沿って整理し直すことで、現在の生活に与えている影響を少しずつやわらげていくトラウマケアのカウンセリング技法です。
具体的には、生まれてから現在までの人生を振り返りながら「うれしかった出来事」と「大変だった出来事」について、カウンセラーとともにひとつ一つ思い出していくことで、それぞれの出来事のつながりや意味を整理していきます。
どのような症状に効果が期待できるのか
ナラティブ・エクスポージャー・セラピーは、トラウマに関連したつらい記憶や感覚が残っている場合や、強い不安や緊張などの反応が続いている場合に用いられます。
特に、家庭内の問題や虐待、学校でのいじめ、職場でのハラスメントなど、一度きりではなく複数のつらい出来事が重なっている方や、長い期間にわたって傷つく体験が繰り返されてきた方に適している方法とされています。
この方法によって、つらい記憶が突然よみがえる感覚や強い緊張感、パニック、不安、落ち込み、イライラなどの症状をやわらげていく効果が期待できます。
ナラティブ・エクスポージャー・セラピーの特徴
ナラティブ・エクスポージャー・セラピーでは、カウンセラーとともに人生の流れをたどりながら語っていただき、そのときの感情や身体感覚を思い出すことで記憶の整理を進めていきます。
このプロセスを通して、それぞれの出来事を「現在起きていること」ではなく「過去に起きた出来事」として、脳と心の中に位置づけ直し、人生の物語の一部として理解できるようになることを目指します。
人生全体を振り返る形で進めていくため、つらい出来事だけでなく、さまざまな出来事を乗り越えてきたご自身の力や、支えてくれた人の存在にも気づきやすい点が特徴です。
また、人生の出来事を「花と石」に見立てて整理をするワークや、振り返りながら「自分史」を作成していく過程を通して、これまで懸命に生きてきたご自身の歩みを実感しやすいことも、大きなメリットとしてあげられます。
当所においても、ご利用者様が最後まで終えられた際の達成感や満足感が高いトラウマケアのカウンセリング技法の1つです。
<さらに詳しく知りたい方へ>
<参考文献>
・マギー・シャウアー他「ナラティブ・エクスポージャー・セラピー(第2版)」金剛出版、2023.
・野呂浩史編「トラウマセラピー・ケースブック 症例に学ぶトラウマ技法」星和書店、2016.
・ナラティブ・エクスポージャー・セラピーの情報発信館 ホームページ(https://narrative-exposure-therapy.jp/)
↓↓ 専門的な技法とプログラムに戻る ↓↓
