
トラウマへの認知処理療法(CPT)とは
トラウマへの認知処理療法は、つらい出来事を経験した後に生じる物事の捉え方や行動のパターンに焦点を当て、心の苦しさをやわらげていくことを目的としたトラウマケアの専門的なプログラムです。
トラウマなど、強いショックを伴う出来事を経験すると、「もう安全ではない」、「自分が悪かったのではないか」といった考えにとらわれてしまうことがあります。
このプログラムでは、そのような考え方のクセに気づき、「その考えは本当に事実なのか」、「ほかの見方はできないのか」といった視点から、カウンセラーと一緒に整理をしていきます。
ご自身の考え方が少しずつ現実的でバランスのとれたものに変わっていくことで、つらい気持ちがやわらぎ、日常生活が送りやすくなることを目指していきます。
どのような症状に効果が期待できるのか
トラウマへの認知処理療法は、主にトラウマ体験に関連して生じる心身の反応や、強い不安や恐怖が長く続いている場合などに用いられます。
例えば、事故や災害、暴力などの体験のあとに、つらい記憶や感覚が突然よみがえったり、不安や恐怖が続いたり、自分のことを強く責めてしまう場合などに効果が期待されます。
また、気分の落ち込みが続く、将来に希望が持てない、怒りや不安をうまくコントロールできないといった状態の改善にも役立つといわれています。
トラウマへの認知処理療法の特徴
トラウマへの認知処理療法の大きな特徴は、自分を苦しめている考え方のクセに気づき、それをより現実的でバランスのとれた見方へと整理していくことにあります。
例えば、「すべて自分のせいだ」と思い込んでいた出来事について、「必ずしも自分の責任ではなかった」と理解できるようになると、自分を責める気持ちがやわらぎます。
その結果、不安や恐怖、罪悪感などのつらい感情が少しずつ軽くなり、心の負担が軽くなることが期待できます。
また、プログラムの中で、「考え方を整理する方法自体」を学ぶため、将来ストレスのある出来事が起きたときにも、自分自身で心を整える力を身につけていくことができます。
トラウマへの認知処理療法は、科学的な研究によって効果が確認されているプログラムの1つであり、これからの生活をより安心して送るための考え方を学ぶことができる方法です。
<さらに詳しく知りたい方へ>
<参考文献>
・パシトリア・A・リーシック「トラウマから自由になる 自分を取り戻すための認知処理療法」誠信書房、2025.
・パシトリア・A・リーシック「トラウマへの認知処理療法 治療者のための包括手引き」創元社、2019.
・国立精神・神経医療研究センター 「CPTとは」 ホームページ(https://cpt.ncnp.go.jp/)
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